日本臨床細胞学会雑誌
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小型細胞よりなる通常型乳癌と小葉癌の細胞診
畠山 重春川名 展弘末吉 弘子杉山 勇治大橋 浩文塩田 敬辻本 志朗三浦 妙太
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1996 年 35 巻 6 号 p. 632-639

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抄録

穿刺吸引細胞診Pap. 染色標本を用いて, 浸潤性乳管癌通常型142例 (乳頭腺管癌23例, 充実腺管癌47例, 硬癌72例) の小型細胞癌例の頻度, 浸潤性小葉癌14例の特徴を分析した. 95%以上の細胞が小型細胞から成る通常型乳管癌例を142例中29例20.4%に認めた. 最も多いのは硬癌で72例中18例25-0%であった. 小型細胞癌例か否かの認識は, 組織標本との問に乖離がみられた.組織で淡明豊富な胞体をもつ細胞が小型核を有する場合, 細胞診では小型細胞癌例として認識される例を乳頭腺管癌, 充実腺管癌でみられた. 細胞診で小型細胞とされるのは核径に左右されることが明らかとなった. 小葉癌細胞の出現パターンをTYPE-IからTYPE-Vに分類した.組織型推定上, TYPE-II: 敷石状の疎な結合を示す立方状・多辺形細胞, TYPE-V: 索状配列が特に有用と考えられたが, それぞれ28.6%, 35.7%と低出現率であった.小型明瞭な核小体を含む, スリガラス状から細顆粒状クロマチンの細胞と, 出現パターンとの組み合わせが大切である.

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