日本臨床細胞学会雑誌
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精上皮腫に出現するtigroid backgroundの細胞学的検討
有光 佳苗鐵原 拓雄成富 真理畠 栄広川 満良桜井 孝規
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1997 年 36 巻 2 号 p. 132-135

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抄録

tigroid backgroundは, 精上皮腫の乾燥固定Wright-Giemsa染色標本の背景に出現する縞模様のことである. われわれは, 7例の精上皮腫症例の塗抹標本を観察し, tigroid backgroundの出現に関する因子を検討してみた. その結果, tigroid backgroundは細胞質の破砕によっ作られる構造で, 腫瘍細胞が豊富なグリコーゲンを有していること, ある程度以上の密度で細胞が塗抹されていること, 良好な乾燥固定が行われていること, 裸核状になっていることなどの条件が満たされている場合に出現することを明らかにした.

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