日本臨床細胞学会雑誌
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細小肝細胞癌の細胞学的特徴
田中 里美葛西 里美福島 成之田保 徹志田 しげの武田 善樹
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1997 年 36 巻 3 号 p. 268-272

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抄録

細小肝細胞癌の細胞像は多く高分化型肝細胞癌のそれであり非癌肝内小結節由来の細胞像と似るため, 計測学的手法を用いて両者を比較した.陽性13例, 疑陽性10例, 陰性12例について, 用手法と2次元画像解析法によって, 胞体長径, 核長径, N/C比, 核小体長径を測定した.胞体長径は, 陽性 (17.4μm) <陰性 (22.9μm).核長径は, 陽性 (7.8μm) <陰性 (8.9μm).N/C比は, 陽性 (0.50) >陰性 (0.40).核小体長径は, 陽性 (1.6μm) <陰性 (2.1μm) であった.陽性例における数値のばらつきは小さかった.高分化型肝細胞癌の特徴は, 均一な大きさの小型細胞でN/C比の増大にあるといえる.

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