日本臨床細胞学会雑誌
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胃生検捺印塗抹標本におけるHelicobacter Pyloriの検出
植嶋 しのぶ植嶋 輝久山村 章次安陪 隆明工藤 浩史広川 満良
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1997 年 36 巻 4 号 p. 339-344

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抄録

胃生検捺印塗抹細胞診におけるHelicobacterpyiori (以下H.pylori) 検出の有用性について検討した.
対象は228ヵ所からの胃生検標本で, 同部位より2個ずつ生検し, 1個をウレアーゼ試験に供し, 他の1個を捺印塗抹した後, 組織切片を作製し, HematoxylinEosin染色 (H-E), ギムザ染色, 抗H. pylori抗体免疫染色を行った.捺印標本はパパニコロウ染色, Diff-Quik染色, ギムザ染色を行い, H. pylori陽性ギムザ標本はMount-Quickで細胞転写後, 免疫染色を行った.また, 細胞診標本の背景に出現する炎症細胞を観察した.
捺印標本ではH.pyloriの観察が短時間ででき, 菌の形態を確認しやすかった.
H.pylori検出率は捺印ギムザ63%, Diff-Quik62%, パパニコロウ55%, CLOテスト44%, 組織ギムザ43%, 組織免疫染色56%であった。H.pylori陽性例の背景には好中球, リンパ球などの炎症細胞が多くみられた.また, H.pylori陽性例の86%, H.pylori陰性例の31%に好酸球の出現を認め, その数は前者では弱拡大1視野に1-51個 (平均6個), 後者では1-6個 (平均1.6個) であった.
また, 背景の好酸球はH.pylori存在の指標の一つになる可能性が示唆された.

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