子宮内膜細胞診において細胞異型主体と細胞集塊形態主体に判定したそれぞれの期間の成績について比較検討した.
その結果, 細胞診と組織診の一致率は内膜増殖症 (9%→90%), 内膜腺癌 (56%→92%) で顕著な向上がみられた.過小判定は内膜増殖症 (88%→10%), 内膜腺癌 (44%→8%) で顕著な減少がみられた.また細胞異型主体の判定期間での不一致症例を細胞集塊形態主体の判定方法で再判定したところ, 一致率は内膜増殖症 (9%→36%), 内膜腺癌 (56%→91%, 陰性例が皆無となった) で向上した.
以上のことより内膜細胞診において細胞異型のみならず構造異型を反映した細胞集塊形態を加味した判定基準・方法の採用, さらにダブルスクリーニングの実施が必要であると考えた.しかし, 組織診で著変なしとされた症例の過大判定 (0%→43%) が増加した.今後, それらの特異性の向上は重要な課題と考えられた.