日本臨床細胞学会雑誌
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腹腔原発のDesmoplastic smali cell tumorの1例
小林 貴代山口 みはる阿部 淳戸羽 美佐子北村 真蛭田 啓之亀田 典章山口 宗之
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1997 年 36 巻 4 号 p. 381-386

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抄録

腹腔内に発生したdesmopiastic small cell tumorを経験し, 細胞学的, 組織学的所見に免疫組織化学的, 電顕的検索結果および文献的考察を加えて報告した.
症例は17歳, 男性.試験開腹時の腹水細胞診では, 多数の腫瘍細胞が集塊状に認められた. 核は小型でくびれが目立ち, クロマチンは増量し明瞭な核小体を有していた. 細胞質は一般に乏しいが, 一部の細胞の細胞質にはライトグリーン好染性の封入体様構造物が認められた.組織学的には小型類円形細胞が線維性結合組織で隔てられ, 一見, 小細胞癌の転移と見誤るような胞巣形成性の増殖を示していた. 免疫組織化学的には腫瘍細胞はvimentin, NSE, desmin, cytokeratin, EMAなどに陽性であった. 細胞質内にドット状に染まるdesmin陽性物質は電顕における中間径フィラメントの集塊に一致するものであり, 細胞診断学的にもっとも有用な所見と考えられた.

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