日本臨床細胞学会雑誌
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異常妊娠 (流産, 子宮外妊娠) の早期診断における捺印細胞診の有用性についての検討
鈴木 博井浦 宏野本 千恵武田 祥子楯 真一岩崎 秀昭武田 敏
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1997 年 36 巻 6 号 p. 608-612

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抄録

異常妊娠37例について子宮内容物捺印後パパニコロウ染色を施行し, 出現する細胞像について形態学的検討を行い以下の成績を得た.(1) 観察された細胞はジンチジウム型トロホブラスト (Syncytiotrophoblast;以下ST), ラングパンス型トロホブラスト (cytotrophoblast;以下CT), 脱落膜細胞, AriaS-Stella反応を示す腺細胞などであった.(2) 流産27例中24例 (88.9%) にST, 4例 (14.8%) にCT, 5例 (18.5%) に脱落膜細胞, 2例 (7%) にArias-Stella腺細胞が認められた.(3) 肉眼的に絨毛が不明瞭であった流産9例中7例 (77.8%) に細胞診でSTまたはCTが確認された.(4) 子宮外妊娠10例ではST, CTはすべての症例に認められず, 脱落膜細胞は7例 (70%) に, Arias-Stella腺細胞は5例 (50%) にみられた.
病理組織診断の結果に数日間要するため子宮内容物捺印細胞診を併用することにより患者の負担を軽減させることができ臨床的価値は大きいと思われる.

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