日本臨床細胞学会雑誌
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会陰部に発生した類上皮肉腫の1例
松本 一仁池崎 福治柿崎 寛高谷 彦一郎吉岡 治彦
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1998 年 37 巻 1 号 p. 103-108

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抄録

類上皮肉腫は若年成人の手指や前腕に好発するまれな軟部腫瘍で, 細胞診に関する報告は少ない.われわれは再発を繰り返した会陰部原発の本症の1例を経験したので, 再発時の捺印細胞像を中心に報告する.症例は45歳男性で, 4年前右会陰部の腫瘤に気付き切除術を施行したが, 半年後に再発, その3年半後に再々発を来した.再発時の捺印細胞像では大型類円形~多角形の腫瘍細胞が散在性, 一部は疎に結合して出現.腫瘍細胞は胞体が比較的豊富でライトグリーン好性, 核は類円形でやや偏在し, 1~2個の明瞭な核小体を有するものが多かった.スリガラス様の細胞質内封入体を有するラブドイド細胞がしばしぼ観察され, また紡錘形細胞が乏しかったことから, 細胞診上, 悪性ラブドイド腫瘍との鑑別が困難であった.組織所見では好酸性の胞体を有する細胞が結節状に増殖していたが, 再発時では核小体がより目立った.免疫組織学的に腫瘍細胞はEMA, CEA, keratin, vimentin, CD 34が陽性で, 電顕的には細胞質に中間径フィラメントが豊富であった.ラブドイド細胞の出現する腫瘍は滑膜肉腫, ラブドイド腫瘍など多数あるが, 本腫瘍の診断にはCD 34を含めた免疫組織化学的検索が有用と考えられた.

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