良性例50例と悪性例50例を含む乳腺疾患の穿刺吸引細胞診標本について, 立体的核異型を加えた細胞所見の評価を多変量解析を用い検討した.
24項目の乳腺細胞所見のなかで良・悪性を区別する偏相関係数が高かったのは, 立体的核構造不整, 細胞層の厚さ, 核構造不整, 核の大小不同, 対細胞, 細胞質内小腺腔.粘液の存在, 細胞の結合性の弱いこと, 立体的核小体不整と核増大であった.
カテゴリー数量得点では, 24項目または偏相関係数の比較的高い0.250以上の10項目の細胞所見を用いると良性例と悪性例とを区別できたが, 偏相関係数0.285以上の6項目の場合2例の良性例が悪性例と区別できなかった.