日本臨床細胞学会雑誌
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術中腹水細胞診が診断のきっかけとなった子宮頸部腺扁平上皮癌の1例
梅澤 聡南 敦子石谷 敬之平井 康夫手島 英雄山内 一弘都竹 正文荷見 勝彦
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1998 年 37 巻 1 号 p. 42-46

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抄録

子宮頸部扁平上皮癌の診断で化学療法後, 開腹手術時に行われた腹水細胞診で腺癌細胞を認めた1症例を経験したので報告する.
症例は64歳女性で, 子宮頸部組織生検による治療前の診断は, 扁平上皮癌 (大細胞非角化型) であった.抗癌剤による化学療法後, 手術開腹時の腹水細胞診にて扁平上皮癌, 腺癌両方の悪性細胞を認めた.治療前のヘマトキシリン-エオジン染色 (H-E) 組織標本では, 腺管構造は認めなかった.しかし, PAS/Alcian-Blue染色を行った結果, 少数であるが陽性細胞を同定できた.この結果から本症例が, 組織学的には腺管構造のない粘液産生能を有する腺癌成分を有する腺扁平上皮癌であると考えられた.本症例は子宮頸部擦過細胞標本での腺癌成分の混在が推定され, 術中腹水細胞診では明らかな粘液産生細胞が同定された.組織標本では腺管構造をもたないが粘液産生能のある腺癌成分の診断に細胞診が有用と思われた.

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