日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
若年婦人の会陰部に発生した横紋筋肉腫の1例
中野 孝之沼田 ますみ小野田 登竹内 廣新井 宏治田中 淳大鶴 洋和泉 滋
著者情報
ジャーナル フリー

37 巻 (1998) 1 号 p. 61-64

詳細
PDFをダウンロード (6505K) 発行機関連絡先
抄録

横紋筋肉腫は, 小児悪性腫瘍の中では代表的な疾患の一つであり, 組織学的には胎児型, 胞巣型, 多形型に分類されている.その中で胞巣型は10~25歳に多く, 頭頸部や四肢に好発する.今回われわれは15歳の女性の会陰部皮下に発生した胞巣型横紋筋肉腫の症例を経験したので, その細胞像を中心に報告する.腫瘍の穿刺吸引細胞診では, 腫瘍細胞は一部孤立散在性に, 一部ロゼット様に出現していた.細胞質は乏しく泡沫状で, N/C比は増大していた.核の多くは類円型で, 大きさはリンパ球の2~3倍であった.核縁の不整や切れ込みは散見されたが, 核縁の肥厚はみられなかった.核クロマチンは粗大顆粒状に増量しており, 核小体は小型だが複数のものも認められた.鼠径リンパ節の生検で得られた組織像では, 小型, 類円型の異型核を有する腫瘍細胞が胞巣状に配列し,「つるし柿」様の構造を呈しており, これらは細胞診におけるロゼット様の配列と対応していると考えられた.また, 免疫組織化学的にはデスミン, 横紋筋アクチンが陽性でケラチン, EMAが陰性であったため, 非上皮性の腫瘍であることが示唆された.また, フローサイトメトリーではDNA Index: 1.88の位置にDNA異数体が検出された.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top