日本臨床細胞学会雑誌
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胸腺原発非定型的カルチノイドの1例
長田 憲和高橋 憲太郎
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1998 年 37 巻 1 号 p. 75-78

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抄録

44歳の男性に発生した胸腺原発非定型的カルチノイドの1例を経験したので報告する.症例は左上背部痛を主訴とし, CT検査にて前縦隔腫瘍を指摘され, 手術が施行された.腫瘍の周囲リンパ節や右肺 (小結節) への転移が観察された.術中に採取された心嚢水の細胞診では, カルチノイドを示唆する細胞もみられたが, 核形不整や核の大小不同もあり, 診断は困難であった.腫瘍組織は, 小型~中型細胞から成り, 一部にカルチノイドを疑うorganoid patternを呈していたが, 壊死巣の多発や核異型を伴っていた.免疫染色の結果は, chromogranin A弱陽性, NSE強陽性, p53陽性を示し, 非定型的カルチノイドと診断された.本例のような胸腺原発の神経内分泌腫瘍はまれであり, 今後も症例の蓄積と臨床病理学的な検討が必要と考えられる.

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