日本臨床細胞学会雑誌
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前立腺平滑筋肉腫の1例
望月 衛片寄 功一江尻 晴博高橋 勝美比佐 純孝
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37 巻 (1998) 1 号 p. 82-85

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抄録

前立腺原発平滑筋肉腫の1例につき, 原発巣と再々発病巣の腫瘍捺印細胞像を比較検討したので報告する.症例は72歳, 男性.今回入院の9年前に, 患者は前立腺原発巣の切除術を受けている.その4年後に膀胱後部に再発し, 直腸切断術・膀胱全摘術を施行されている.今回は腸閉塞の診断で開腹.右内腸骨動脈近傍に回腸を巻き込む腫瘍を認めた.原発腫瘍と, 再々発部腫瘍双方の腫瘍捺印細胞診標本を観察した.前者には, 紡錘形の腫瘍細胞が小型~ 大型の細胞集塊を形成し, 数多く出現していた.後者では, 同じく紡錘形細胞より構成される細胞集塊の他に孤立散在性に出現する腫瘍細胞や裸核状細胞の出現, および壊死巣の混在をみた.核形不整・核クロマチンの増量が前者に比し目立った.核分裂像は両標本ともにみられなかった.既往標本の再評価を含む検討により, 前立腺原発平滑筋肉腫の再々発と最終診断した.本例は, 捺印細胞診において標本中に多くの腫瘍細胞が採取されていることが, 平滑筋系腫瘍の良悪性判定に重要な現象であることを示唆する好例と考えた.

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