日本臨床細胞学会雑誌
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肝, 肺, 頭皮にみられた類上皮血管内皮腫の1例
飯原 久仁子植草 正松田 聡青木 明恵秋間 道夫
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1998 年 37 巻 1 号 p. 96-99

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抄録

肝あるいは肺が原発と思われる類上皮血管内皮腫 (Epithelioid hemangioendothelioma, EH) で, 頭皮転移もきたし, コントロール不能の胸水貯留のため, 呼吸不全にて死亡した症例を経験したので報告する.症例は69歳, 男性.定期検診の腹部超音波検査で肝臓に最大径3cmの多発性の結節が認められた.ほぼ同時期に肺にも多発性の結節がみられ, 3年後に頭皮にも同様の腫瘍が認められた.肝, 肺, 頭皮ともに組織学的には, 硝子様の基質の中に紡錘形の細胞がみられ, 細胞質内空胞が認められた.それらの細胞は免疫組織化学的に血管内皮マーカー (factor VIII-related antigen, CD34) が陽性であり, EHと診断された.その後, 胸水が増加し, 胸水の穿刺吸引細胞診にてEH細胞と思われる細胞がみられた.臨床的には悪性の経過がみられたが, 細胞の異型性に大きな変化はみられなかった.胸水中にEH細胞がみられることは比較的まれだが, 今回は臨床経過, 免疫組織化学的検索により診断可能であったので, 細胞診像の検討が可能となった.

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