上咽頭限局性アミロイドーシスの1例を経験したので報告する.症例は66歳, 男性で, 2ヵ月前より食物が飲み込みにくく, 食物が鼻へ逆流するようになったため来院した. CT検査にて上咽頭の悪性腫瘍の可能性が疑われ, 上咽頭の生検とその捺印細胞診が行われた. 捺印標本では13~43μm大の類円形から多辺形をしたライトグリーンに均一に染まる物質が観察され, アミロイドーシスと診断することができた. 免疫組織化学的にアミロイドはALタイプであった. アミロイドの形態像の特徴とその鑑別診断について述べてみたい.