日本臨床細胞学会雑誌
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胸部間接X線検診で発見された肺腺癌例の喀痰標本のRetrospectiveな検討
佐々木 麻弥中嶋 隆太郎中村 繁子山崎 寿美子佐藤 博俊佐藤 信二佐藤 雅美藤村 重文菅間 敬治斉藤 泰紀
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1998 年 37 巻 5 号 p. 449-454

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抄録

宮城県肺癌検診で昭和57年度から平成5年度までに胸部問接X線写真で発見され, 原発性肺腺癌が確定した461例のうち, 喀痰細胞診の受診歴を有した80例を対象として喀痰標本のRetrospectiveな検討を行った. その結果, X線発見年に喀痰細胞診の受診歴を有し陰性とした34例のうち6例 (18%) がE判定, 1例 (3%) がD判定に再評価された.また, X線発見年以前に喀痰細胞診の受診歴を有した57例 (延べ110件) のうち, 再評価により, E判定とした症例が2件, D判定とした症例が3例 (4件) 認められた.4件中3件は病理病期1期の高分化型腺癌であった. X線発見年に誤陰性とした7例の主な原因としては, 出現する細胞数が少数でクロマチンの増量軽度など細胞異型に乏しいことに起因していた. また喀痰細胞診の肺腺癌における陽性率を, 集検時喀痰でDまたはEとしていた14例を含めてみてみると, 発見時判定で29%, 再判定時で44%であった. 集検時喀痰細胞診において肺腺癌を診断する場合には, 少数であっても, クロマチンの増量に乏しい異型の軽度な小型腺細胞集塊に注意することが必要である. また, 腺癌が確定した症例の過去の喀痰標本の再評価は, 精度向上のためには重要である.

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