日本臨床細胞学会雑誌
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膵癌に対するPTCD胆汁細胞診の陽性率に関与する因子について
川井 俊郎藤井 丈士櫻井 信司鄭 子文久力 権海崎 泰治久保野 幸子本望 一昌栗原 克己斎藤 建
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1998 年 37 巻 5 号 p. 455-459

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抄録

膵癌に対するPTCD胆汁細胞診の陽性率に関与する因子を知ることを目的に, 膵癌163例, 検査回数1010回の検討を行った. 特に手術的切除55例においては, 腫瘍の膵内胆管への浸潤度, 組織型などの諸因子と陽性率との相関の有無を検討した.
1. 膵癌に対するPTCD胆汁細胞診の陽性率は52.8%であった.
2. 検査回数が多いほど陽性率が高くなる傾向を示した.
3. 偽陰性例の検査回数は陽性例に比べ少なかった.
4. 担癌患者において1回の検査で陽性となる確率は21.8%であった.
5. 膵内胆管に露出しない膵癌の細胞診は陰性で, 膵内胆管への浸潤度が高いほど陽性率が高くなる傾向を示した.
6. 血清ビリルビン値も閉塞の強さに相関する傾向を示し, 膵癌が胆管に露出しなくとも黄疸をきたす症例が含まれた.
7. 組織型では, 高分化型管状腺癌に比べ中分化型管状腺癌の陽性率が高かった.
8. 腫瘍の大きさ, 間質の量と陽性率には相関がみられなかった.

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