日本臨床細胞学会雑誌
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卵巣粘液性腫瘍の術中腫瘍捺印細胞像の検討
境界悪性例を中心に
清水 恵子小椋 聖子村田 匡好高尾 由美豊國 伸哉桜井 幹己
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1998 年 37 巻 6 号 p. 583-590

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抄録

卵巣腫瘍は良悪性の術前診断が困難なことが多く, 当院では術中腫瘍捺印細胞診を積極的に施行している. 1990年から1997年の8年間に術中腫瘍捺印細胞診が施行された卵巣粘液性腫瘍は34例で, 良性が16例, 境界悪性が12例, 悪性が6例であった. 術中腫瘍捺印細胞診の正診率は, 良性と悪性に関しては100%であったが, 境界悪性では75%で誤判定例はすべて良性と判定していた. 今回, われわれは境界悪性例を中心とした細胞像と, 誤判定を防ぐための新しい圧挫標本の併用について検討したので報告する.
境界悪性腫瘍の細胞像の特徴は, 背景が比較的きれいで, 良性例に比べて重積性が増し, 乳頭状の集団やボール状の集団が出現していることであった. 個々の細胞異型に関しては, 良性例に比べてN/C比の増大や, 核クロマチン増量, 核小体の肥大が部分的に観察されるものの著明ではなく, 悪性例とは区別が可能と思われた. 良性と誤判定した例については, 上皮性成分の出現i数の少なさがその最大の原因と思われ, 圧挫標本の作製を加えることにより正診率の向上が期待できるものと思われた.

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