日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
甲状腺濾胞型髄様癌の1例
清山 和昭栗林 忠信谷口 正次高橋 敏弘峰松 映子浅田 祐士郎
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 37 巻 6 号 p. 603-607

詳細
抄録

症例は47歳女性. 喉の圧迫感と呼吸困難を訴えて受診した. 入院時検査での血清CEAは1.5ng/m1, カルシトニン値は32pg/ml と異常は認めなかった. 胸部X線写真にて気管の狭窄を, 超音波検査とCT検査で大きな甲状腺腫を指摘された. 穿刺吸引細胞診では壊死性背景は認めず, 紡錘形ないし多稜形の細胞は疎結合性から孤立散在性に出現し, 一部に濾胞状集塊を認めた. また, 細胞質に乏しい裸核状の細胞も散見され, 核は類円形で偏在性を示し, クロマチンは細穎粒状で大きな核小体を認めた. 個々の細胞異型は目立つものの単調な細胞出現であることから, 乳頭癌ないし髄様癌を疑ったが, DAPIV活性染色が陰性であることより髄様癌と推定した. 組織学的に腫瘍細胞は充実性ないし濾胞状に増生し, 免疫組織学的に充実部, 濾胞構造領域ともに, サイログロブリンは陰性, カルシトニン, クロモグラニンAは陽性であり濾胞型髄様癌と診断された.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top