日本臨床細胞学会雑誌
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術中捺印細胞診が有用であった若年発症のcystic struma ovariiの1例
進藤 久仁子堂本 英治安斎 幹雄相田 真介佐藤 仁哉島崎 英幸遠藤 久子玉井 誠一
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1998 年 37 巻 6 号 p. 627-631

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抄録

腫瘍全体が嚢胞化を示し, 他の嚢胞性卵巣腫瘍との鑑別が問題となるcystic struma ovariiは, 1994年Szyfelbeinらによって報告された疾患概念である. 今回われわれは術中迅速細胞診が確定診断に有用であったcystic struma ovariiの1例を経験したので報告する. 症例は16歳・女性, 腹部膨満感を主訴に他院を受診し, 卵巣腫瘍を指摘された. 当院紹介受診ののち, 卵巣腫瘍摘出術が実施された. 腫瘍は長径20cmにおよぶ多房性腫瘍で, 一部に小嚢胞が集簇する結節部が認められた. 迅速組織診にてstruma ovariiが疑われ, また多数箇所からの捺印細胞診により他の腫瘍成分の混在も否定されたため, 肉眼所見を含め, cystic struma ovariiと診断された. 結節部が非常に少量の時には, 標本作成部位や個数によって甲状腺濾胞の発見が困難となる可能性もあり, 術中捺印細胞診の併用が診断に有用と考えられた.

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