日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部に発生した神経内分泌小細胞癌の1症例
平野 博嗣前田 環岡田 仁克指方 輝正高橋 満智子長谷川 和男東田 太郎
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1998 年 37 巻 6 号 p. 632-635

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抄録

子宮頸部に発生した小細胞癌の1例を経験したので報告する.
症例は46歳, 女性. 持続する不正性器出血があるため, 子宮頸部の擦過細胞診が施行された. 細胞診では裸核状の小型細胞が散在性または小集塊を形成している. この細胞の核小体は目立たず, 細胞質に乏しく, 細胞境界も不明瞭であった. 組織学的には小型の円形ないし卵円形で, 細胞質に乏しく, 核小体が不明瞭な腫瘍細胞が充実性に配列していた. 免疫組織学化学的にはneuronspecific enolase (NSE), chromogranin, S-100タンパクが陽性であり, ケラチンが陰性であった. 電子顕微鏡的には腫瘍細胞は互いに近接しており, desmosomeによる細胞相互間の結合がみられ, 細胞質内には神経内分泌顆粒が認められた. 以上より子宮頸部原発の神経内分泌小細胞癌と診断した. われわれは子宮頸部擦過細胞診にて子宮頸部原発小細胞癌の診断が可能であることを示唆した.

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