日本臨床細胞学会雑誌
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悪性線維性組織球腫様の組織像を示した乳腺間質肉腫の1例
杉原 綾子寺田 信行豊坂 昭弘辻村 亨名方 保夫中正 恵二窪田 彬山本 格士
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1999 年 38 巻 2 号 p. 162-165

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抄録

乳腺間質肉腫の1例を報告する.
症例は, 64歳の女性で, 左乳腺に皮膚の潰瘍を伴う, 18×16×17cmの腫瘤が形成されていた. 術中迅速組織診断では, 乳腺悪性葉状腫瘍または問質肉腫が疑われ, 非定型乳房切断術が行われた. 摘出腫瘍の捺印細胞診では, 明らかな上皮性配列のみられない多形性の著しい肉腫細胞様の腫瘍細胞が認められた. 腫瘍細胞は多辺形で, その細胞質は広く, 核は類円形ないし紡錘形であった. 核の切れ込みもみられた. 核のクロマチンは増量し核小体は大きく明瞭であった. 多核巨細胞も多数みられた. 以上の所見より, 悪性のしかも間葉系腫瘍であることが推定された. 組織学的には, 腫瘍は紡錘形細胞の束状, または, 花むしろ状配列を示す部分, 著明な多形性を示す細胞が充実性増生をみる部分および両者の像が混在する部分より構成されていた. 免疫組織化学的検索では, ビメンチンにしか陽性を示さず, 腫瘍は悪性線維性組織球腫様組織像を示す乳腺問質肉腫であった.

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