日本臨床細胞学会雑誌
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肺原発のOsteoclast-like giant cellを伴う肉腫様未分化癌の1例
その洗浄細胞所見
岡田 真也工藤 玄恵平野 隆石川 章夫海老原 善郎
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1999 年 38 巻 2 号 p. 170-176

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抄録

肺原発のOsteoclast-like giant cell (以下OCGCと略す) を伴う肉腫様未分化癌症例を経験した. 本腫瘍およびOCGCの生物学的性状について細胞学的ならびに病理組織学的に検討した.
患者は胸部右上肺野の異常陰影を指摘された55歳の男性である. 気管支鏡下に右B2aにポリープ状腫瘍が認められた. ブラシによる擦過細胞材料の直接塗抹検体では異型細胞は肉腫細胞様で孤立性あるいはシート状に出現したが, その洗浄検体では明瞭な細胞質, 核小体と細胞の重積性から腺癌細胞の様相を示した. 背景には数十個の小型の濃染性核が細胞の中心に集合し, 境界明瞭な厚い細胞質と突起を特徴とする30~180μm大のOCGCが多数認められた. 免疫組織化学的に肉腫様細胞は上皮性マーカーに陽性であったが, OCGCは酒石酸耐性酸性フォスファターゼ, lysozyme, CD68に強陽性で, 電顕的にrERが豊富でlysosomeも認められた. OCGCは組織球系由来であることが示唆された.
本稿において, 病巣の直接塗抹細胞診では診断困難な場合, 採取器具からの洗浄液標本が診断に役立つことがあることを強調した.

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