日本臨床細胞学会雑誌
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乳腺原発扁平上皮癌の2例
杉島 節夫河原 明彦横山 俊朗林 逸郎島松 一秀矢原 敏郎弥永 浩古賀 稔啓
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1999 年 38 巻 3 号 p. 276-280

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抄録

乳腺原発扁平上皮癌の穿刺吸引細胞診の2例について報告した. 症例1は62歳女性で腫瘤は左乳房C領域に発生し, 腫瘤の大きさは3.0×2.5cmであった. 症例2は48歳女性で腫瘤は左乳房BD領域に発生し, 腫瘤の大きさは4.5×4.0cmで2症例ともに腫瘤は充実性であった. 穿刺吸引細胞診では症例1, 症例2ともに扁平上皮癌と診断したが, 症例1では重積性の細胞集塊を示す腺癌成分 (乳頭腺管癌) の混在が認められた. 病理組織学的には, 症例1では腫瘍は扁平上皮癌成分に腺癌成分 (乳頭腺管癌) が10%程度含まれており, 症例2では腫瘍のほとんどが扁平上皮癌で占められていた. 症例1, 症例2ともに腋窩のリンパ節への転移がみられ, その組織型はいずれも扁平上皮癌であった.

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