日本臨床細胞学会雑誌
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Human papillomavirus (HPV) 型別と感染細胞所見に関する検討
陽性細胞出現率からのHPV型別推定の試み
山城 靖司佃 博保地 譲内山 勲妹尾 裕香井上 健小林 庸次山本 久美夫
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1999 年 38 巻 4 号 p. 312-319

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抄録

HPV型別ごとの細胞所見の特徴を明らかにするため, 当院婦人科にて子宮頸部擦過細胞診を施行した症例82例を対象とし, 細胞診所見と診断, HPV感染の有無, HPV陽性例の型別の検索を行った. これら各項目について陽性細胞出現率 (平均値±SD)(%0) をパラメーターとして探索的に統計学的検討を行い, 以下の結果をえた.
1. 既存の報告と同様, HPV陽性例には陰性例に比し有意に子宮頸部の高度異形性群がみられた.
2. HPV陽性例において, HPV16感染とimmature metaplastic cell, HPV 52感染とparakeratosisの相関がみられた. 特にimmature metaplastic cellはHPV16持続感染下に組織学的悪性度が増すに従い増強する所見と思われた.
3. Immature metaplastic cellの出現率10.0%0をcut off値としてHPV 16を診断したときのsensitivityは75.0%, specificityは92.7%であり, high risk型であるHPV 16を形態学的にスクリーニングするうえでimmature metaplastic cellが有力な指標となりうると考えられた.

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