日本臨床細胞学会雑誌
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子宮内膜間質肉腫捺印細胞診に血管所見が特徴的であった3例の検討
楯 真一岩崎 秀昭平井 康夫古田 則行鈴木 博井浦 宏根本 玲子武田 敏
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1999 年 38 巻 6 号 p. 587-590

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抄録

子宮内膜間質肉腫の病理組織学的特徴は, 増殖期内膜の間質細胞に似た比較的均一な腫瘍細胞の増生と血管増生である. 今回, われわれは3例 (highgrade2例, lowgrade1例) の子宮内膜間質肉腫の捺印細胞診の形態学的検討を行った. 3症例に共通した所見として, 出現する集塊のなかに, 腫瘍内毛細血管の類内皮細胞の束が認められた. またその束のまわりを腫瘍細胞がとりまく像を呈していた. ESSに特徴的であるといわれるらせん動脈様の血管増生と間質細胞が血管を同心円状に取り巻くという組織構築を反映しているものと考えられた. この所見は, 従来からいわれているESSの細胞所見と併せて, 子宮筋腫やその他の腫瘍性病変との鑑別に役立つ所見になりうるものと思われた.

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