日本臨床細胞学会雑誌
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漿膜の損傷・治癒過程における反応性中皮細胞の出現様式
ラットを用いた実験的研究
岩井 重寿佐藤 房枝渋田 秀美亀井 敏昭
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2000 年 39 巻 2 号 p. 68-75

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抄録
目的: 体腔液中で様々な形態を示す反応性中皮細胞 (reactive mesothelial cells以下RMCs) の出現背景を明らかにするため, その出現様式と漿膜の病理組織学的変化を比較検討した.
方法:材料はラットの腹腔内にCarrageenan溶液を一回投与後の1, 3, 7および14日目に得た細胞と壁側腹膜を使用した.
成績: RMCsは9種類の型に分類できた.1日目はroundtypeを主体とした.3, 7日目にpairtype, irregular typeおよびbinucleated typeが最も高頻度に認められた.14日目では他の時期と比してspindle type, polygonal type, interstitium-liketypeおよびacinar typeが有意に増加した.また, morula-1iketypeが7日目と類似した頻度で出現した.漿膜は中皮細胞の剥離を生じた炎症性変化に始まり, 滲出性変化を経て中皮細胞の再生を伴いながら肉芽腫の形成とその退縮像に移行した.
結論: 種々の形態を示すRMCsは漿膜の変化を反映して特徴ある様式で出現するものと思われた.
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