日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
尿細管上皮細胞の細胞学的検討
大崎 博之岸本 修次高田 多津男中村 宗夫
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 39 巻 6 号 p. 437-444

詳細
抄録

目的: 尿細胞診に出現する尿細管上皮細胞の細胞学的特徴を認識することを目的とした.
方法: 1999年1月から1999年10月の問に提出された手術切除材料10例の腎臓組織標本・腎臓擦過細胞診と, 尿細胞診30例を用いた.これら腎臓組織標本のHematoxylin-Eosin染色, 免疫・糖組織化学と腎臓擦過細胞診, 尿細胞診のPapanicolaou染色, 免疫・糖細胞化学とをそれぞれ対比させ, 尿細管上皮細胞の細胞学的検討を行った.
成績: 尿細胞診に出現する尿細管上皮細胞を近位型 (I型) と非近位型 (IIa・IIb型) に分類することが出来た.近位型 (I型) 尿細管上皮細胞は長径10~40μmで類円形や鋸歯状, 円柱状などさまざまな形態を示し, 細胞質は厚く粗穎粒状であった.また核は偏在性でN/C比は小であり, しばしば無核のものも認めた.非近位型 (IIa・IIb型) 尿細管上皮細胞は長径10~25μmで類円形または立方形であり, 細胞質は細穎粒状や均質, 泡沫状を呈した.また核は偏在性または中心性でN/C比は近位型 (I型) 尿細管上皮細胞に比し大であった.
結論: 今回の検討で尿細胞診に出現する尿細管上皮細胞を近位型 (I型) すなわち近位尿細管上皮細胞と, 非近位型 (IIa・IIb型) すなわち遠位尿細管上皮・集合細管・集合管細胞に分類することが出来た.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top