日本臨床細胞学会雑誌
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小細胞癌との鑑別が困難であった甲状腺髄様癌の1例
今村 友夏竹中 美千穂寺内 利恵山下 学朝倉 善史中野 万里子黒瀬 望野島 孝之
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39 巻 (2000) 6 号 p. 497-501

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抄録

背景: 小細胞癌との鑑別を要した甲状腺髄様癌の1例を経験したので報告する.
症例: 50年前に甲状腺右葉切除術が施行された85歳, 女性で, 右頸部に腫瘤を自覚し受診した.腫瘍マーカーのcarcinoembryonic antigenが644ng/mlと高値を示し, 穿刺吸引細胞診と針生検にて, 頸部リンパ節へ移転した小細胞癌が疑われた.全身検索にて原発病変が見い出されず, 腫瘤摘出術が行われた.穿刺吸引細胞診では, 腫瘤細胞は結合疎で散在性, 核は類円形裸核状, ク'ロマチンは穎粒状に増量していた.免疫組織化学的にはカルシトニン, クロモグラニンA, CEAが陽性で, 甲状腺髄様癌と診断された.
結論: 穿刺吸引細胞診で, 小型異型細胞を観察した場合, 核の詳細, 細胞の配列とアミロイド物質の検討が必要と思われた.

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