日本臨床細胞学会雑誌
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頬部に発生した胞巣型横紋筋肉腫の1例
森 正樹今村 好章前川 秀樹法木 左近都築 秀明
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2000 年 39 巻 6 号 p. 502-506

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抄録

背景: 今回われわれは, 頬部に発生した胞巣型横紋筋肉腫の成人例を経験したので報告する.
症例: 33歳, 女性.1997年9月, 左耳前頬部に腫瘤を自覚.1998年2月腫瘍切除術が施行された.術前の穿刺吸引細胞診では, 重積する大小の細胞集団を多数認めた.腫瘍細胞は小型類円形で, N/C比大であった.術中捺印細胞診では, 重積する細胞集団および小円形細胞を散在性に認めた.また, 偏在核を有する単核細胞と多核巨細胞も認められ, 細胞質はライトグリーンに濃染性であった.核は類円-不整形, クロマチンは細穎粒状で, 小型核小体を1-数個認めた.組織学的には, 未分化小円形細胞の充実性・胞巣状構造から成る腫瘍で, 一部に豊富な好酸性細胞質を有する多核巨細胞もみられた.腫瘍細胞はグリコーゲンと横紋筋マーカーが陽性で, 電顕ではZ帯を伴ったフィラメント構造を認めた.以上の所見より頬部原発胞巣型横紋筋肉腫と診断した.
結論: 成人の頭頸部領域に発生するsmall round celltumorの鑑別に, まれではあるが横紋筋肉腫の存在を念頭におくべきと考えられた.本例では, 少数出現していたライトグリーンに濃染する単核および多核巨細胞が横紋筋肉腫の細胞診断に重要と思われた.

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