日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部乳頭状扁平上皮癌の1例
隅越 かつ子上坊 敏子新井 努川口 美和渡辺 純蔵本 博行
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2000 年 39 巻 6 号 p. 521-526

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抄録

背景: 子宮頸部乳頭状扁平上皮癌は, 組織学的にまれな乳頭状構造を示す扁平上皮癌であり, 生検で浸潤病変を診断することは困難なことが多いとされている.
症例: 61歳, 2経妊1経産.肉眼的に子宮頸部に乳頭状に隆起した腫瘍を認め, 浸潤癌を疑う所見であった.細胞所見としては (1) 著明な腫瘍壊死性背景の中に孤立性または大小の集塊を形成して多数の異型細胞が出現していた.(2) 異型細胞は比較的小型であるが多形性に富み核大小不同もみられた.(3) 核は円形-長円形でクロマチンは増量し細顆粒状であった.(4) 核小体は余り目立たず, 小型なものが1, 2個みられる程度であった.(5) 細胞質は厚く, ライトグリーン好染性であった.(6) 一部のクラスターでは乳頭状構造が目立ち, 血管を含む間質の介在を認めた.生検組織所見では浸潤所見は明らかではなかったが, 手術標本では, 腫瘍組織は著明な乳頭状増殖を示し, 血管の増生を伴う間質組織を覆うように腫瘍細胞が認められた.また深部では非角化型扁平上皮癌が間質へ浸潤していた.
結論: 細胞診では明らかな浸潤癌の所見であったが組織診では浸潤が確認できなかったことから, 本疾患における浸潤の診断においては細胞所見が有用である

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