日本臨床細胞学会雑誌
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前立腺原発神経内分泌癌の1例
森 裕二品川 俊人木村 文一鈴木 文子南出 めぐみ吉元 真水口 國雄
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2001 年 40 巻 1 号 p. 58-62

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抄録

背景:前立腺のまれな腫瘍である神経内分泌癌: Neuroendocrine carcinoma (以下NEC) を経験したので報告する.
症例:患者は78歳, 男性, 頻尿を主訴に来院した. 前立腺針穿刺組織検査で高分化腺癌が認められた. 尿細胞診においても腺癌を疑う異型細胞がみられた. 治療を開始し経過観察を行った. その後尿細胞診では異型細胞の出現は認められなかったが, 3年5ヵ月後に排尿困難を訴えTURを施行, 組織学的に一部腺癌を含むNECが認められた. ほぼ同時に施行された尿細胞診では腺癌由来の細胞は認められなかったが, 小型でN/C比が高く, クロマチンの増量した裸核状異型細胞が小集塊, 孤立散在性, また一部ではインディアンファイル状配列を呈して認められ, NEC由来の腫瘍細胞と診断した. 免疫組織化学的にNECはneuron specific enolase (NSE), synaptophysin, chromogranin Aが陽性であり, 腺癌部分ではprostatic specific antigen (PSA), prostaticacid phosphatase (PAP) が陽性であった.
結論:尿細胞診スクリーニングにあたっては腺癌の既往歴を有してもNEC細胞が出現する可能性のあることを考慮することが重要と思われた.

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