日本臨床細胞学会雑誌
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膀胱原発神経内分泌癌4例の検討
南 利江子西川 裕子大矢 美香子塚本 龍子橘 真由美埴岡 啓介前田 盛
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2001 年 40 巻 1 号 p. 63-70

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抄録

背景:膀胱原発悪性腫瘍の0.5%以下ときわめてまれな神経内分泌癌の, 自然尿中における細胞 学的特徴について検討した.
症例:過去5年間に神戸大学医学部およびその関連病院で経験した4例 (男性1例, 女性3例, 平均年齢64歳) を対象とした. 全例に血尿を認めた.(尿細胞診所見): 症例1~3ではリンパ球よりやや大きなN/C比大の小型腫瘍細胞が, 孤立散在性あるいは結合性の比較的緩い小~ 中型の集塊を形成して出現していた. 核型は類円形~多稜形 (不整形), 核小体は不明瞭, クロマチンは細穎粒~穎粒状, 融解状で増量していた. 対細胞形成, 木目込み配列, indianfile状およびロゼット様配列が観察されたが, 集塊の辺縁は不規則でほつれ状態であった. 症例4では腫瘍細胞は小型でほぼ均一な円形~類円形, クロマチンは胡麻塩様細穎粒状, 核小体は比較的明瞭で核圧排所見に乏しいなどの特徴が認められたが, その他の所見は症例1~3と同様であった.(病理組織所見): 症例1~3は肺の小細胞癌にきわめて類似し, 症例4は好酸性細穎粒状の細胞質, 明瞭な核小体, 円形~類円形核を有するほぼ均一な小型腫瘍細胞がシート状に増生していた. 4例とも好銀穎粒陽性で, 免疫組織化学, 電顕的検索にて神経内分泌癌と診断された.
結論:尿細胞診においてもその細胞学的特徴は良く保持されており推定診断は可能と考えられ, selectivehighriskscreeningとしての尿細胞診の有する意義は大きいと考えられた.

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