日本臨床細胞学会雑誌
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術中迅速診に擦過細胞診が有用であった眼窩内異所性髄膜腫の1例
安達 章子兼子 耕野首 光弘三田 健司伊佐山 絹代舟橋 幸子糸山 進次小島 孚允
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2001 年 40 巻 1 号 p. 81-84

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抄録

背景:われわれは術中迅速診断時に擦過細胞診が有用であった眼窩に発生した異所性髄膜腫の1例を経験したので報告する.
症例:54歳, 男性. 3年前より左眼瞼下垂を自覚し左上眼瞼部に腫瘤を触知され, 当院を紹介され受診. 画像 (CT, MRI) にて左眼窩前方, 上眼瞼挙筋上部脂肪織内に約1.5cmの腫瘤性病変を認め, 腫瘤摘出術が施行された. 術中迅速診断時, 凍結切片では悪性上皮性腫瘍の浸潤ないし転移が疑われた. 同時に行われた擦過細胞診では良性病変が疑われ細胞が渦巻き状に配列すること (whorls), 核内偽封入体 (pseudoinclusions) を有することより髄膜腫が示唆された. 永久標本の組織所見・免疫染色の結果より髄膜上皮型・移行型髄膜腫の診断が得られた.
結論:本症例は異所性髄膜腫という眼窩内腫瘍では非常にまれな組織型が術中迅速細胞診での特徴的な細胞所見 (whorls, pseudoinclusions) によって推定することができ, 細胞診が非常に有用であった典型例である.

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