日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
子宮頸部乳頭状扁平上皮癌の2例
中村 充宏今村 好章山口 直則河田 尚子中山 啓三中島 徳郎
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 40 巻 1 号 p. 9-14

詳細
抄録

背景:子宮頸部扁平上皮癌の1亜型である子宮頸部乳頭状扁平上皮癌 (Papillary squamous cell carcinoma: PSCC) の2例について報告する.
症例:症例1は69歳女性で, 子宮頸部より外向性に発育する径5cmの腫瘍を, 症例2は47歳女性で, 子宮頸部より乳頭状に発育する径4cmの腫瘍を認めた. 細胞診ではどちらの症例でも乳頭状に増生する小型類円形の異型細胞を認めた. 核分裂像が散見され, 乳頭内には血管を含む間質成分がみられた. 核異型は症例1では軽度, 症例2では中等度から高度であった. また, 症例2では扁平上皮異形成類似の大型空胞細胞や移行上皮癌類似の細胞も認められた. 組織学的にはどちらの腫瘍も十数層の異型細胞の乳頭状増生からなり, 間質には, 線維性血管芯を有していた. 免疫組織化学的に腫瘍細胞はCytokeratin 7 (CK7) 陽性, CK20陰性であり, 通常の子宮頸部扁平上皮癌と同様の染色性を示した. Human papillomavirus (HPV) 感染の有無について検索したが, どちらの症例も陰性であった.
結論:PSCCの細胞像は多彩であるが, 細胞所見を十分に理解し, 臨床所見を加味することによりPSCCの診断は可能と考えられた.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top