日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
細胞診断学におけるベセスダ・システムの評価
福田 耕一
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 40 巻 2 号 p. 163-169

詳細
抄録

背景:米国は国内を騒然とさせたPapscandalに対して細胞診精度管理改善を目的としてベセスダで開催された子宮頸部・膣部細胞診断に関するワークショップの結論を新しい細胞診断報告様式, すなわち1988年ベセスダ・システム (The Bethesda System=TBS) として公表した. TBSは1991年の改訂を経て, 2001年に再度見直しが予定されている.
結果:TBSはHPV感染を頸部病変の根底におき, 特徴として従来のCIN (cervical intraepithelialneoplasia) 三段階分類をlow grade & highgrade SIL (Squamous intraepitheliallesion) の二段階分i類としたことである. さらに上皮細胞異常で意義不明な異型扁平上皮細胞をASCUS (atypical squamous cells of undetermined significance), また意義不明な異型腺細胞をAGUS (atypical glandular cells of undetermined significance) として新たな概念を提起した. TBS発足以来, 多数の報告からASCUSよりもAGUSの方により重要な臨床的意義があることが示唆されている.
結論:TBSの基本概念は細胞診精度管理の向上だが, 細胞診の本質的性格がスクリーニングである以上誤陰性は生じ得る. しかし頸部細胞診はかつて考案されたどの方法よりも, より安価で, より信頼性のあるスクリーニング法であること, そして大きな診断ミスはまれであり, 年一回の細胞検査を受けることの重要性を患者を含めて, 研修医, 臨床医に再教育していく必要があろう.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top