日本臨床細胞学会雑誌
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Multilobated B細胞性リンパ腫の1例
腹水細胞像, および遺伝子解析と電子顕微鏡像
横山 いさみ山下 和也横澤 正志三富 弘之本告 匡木田 芳樹岡安 勲
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2001 年 40 巻 4 号 p. 358-362

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抄録

背景:multilobated B細胞性リンパ腫は, 悪性リンパ腫においてまれな腫瘍である. 今回, 膵周囲リンパ節原発と推定されたmultilobated B細胞性リンパ腫の1例を経験したので, その腹水細胞所見を中心に遺伝子解析, ならびに電顕所見を加えて報告する.
症例:37歳, 男性. 近医での腹部エコーとCTスキャンで膵癌が疑われ, 当院に紹介受診, 精査目的にて入院となった. 入院時の腹水細胞診では, 中型~大型の異常リンパ球が多数出現していた. 異常リンパ球は, 核のくびれが著明で3分葉以上のものが50%以上を占め, さらに一点を中心とした菊花様の多分葉核が特徴的で, multilobated B細胞性リンパ腫が示唆された. 剖検にて, 膵周囲リンパ節を中心に, B細胞性リンパ腫細胞の多臓器転移が認められた. 遺伝子解析では, immunoglobulin heavy chain遺伝子再構成を示すbandが認められ, 単クローン性が確認された. 電顕的検索では, 粗面小胞体, ミトコンドリア, 脂肪滴および微絨毛様構造を認めた.
結論:細胞診において, 上記特徴と遺伝子解析, 電顕所見は診断に有効と考えられた.

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