日本臨床細胞学会雑誌
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肺原発悪性黒色腫の1例
佐藤 允則小枝 吉紀水野 義己横井 太紀雄原 一夫
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2001 年 40 巻 4 号 p. 363-367

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抄録

背景:悪性黒色腫が肺に発生することはきわめてまれで, その細胞像の報告はほとんどみられない. 今回肺原発悪性黒色腫の1例を経験したので報告する.
症例:35歳, 男性. 右肩痛を主訴に受診. 胸部X線, 胸部CTおよび気管支鏡検査にて気管支腔内に突出する腫瘤が認められ, 肺切除術施行. 病理組織学的に肺原発悪性黒色腫と診断された. 擦過細胞診にて腫瘍細胞は平面的かつシート状に粗な結合を示し, 類円形で偏在傾向を示す核を伴っていた. クロマチンは顆粒状で軽度増加し, 少数の腫瘍細胞には核内封入体を認めた. 腫瘍細胞にメラニン色素は認めなかったが, 免疫染色にて腫瘍細胞はS-100蛋白陽性, HMB-45一部陽性で, サイトケラチンは陰性であった.
結論:メラニン色素を認める場合, 悪性黒色腫の診断は比較的容易であるが, 無色素性悪性黒色腫は細胞像のみからの診断は困難であり, 免疫染色あるいは補助的な電顕検索にて確定診断が得られると考える.

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