日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
粘表皮癌の細胞診
捺印細胞診を用いた組織構築との比較検討
原田 博史河原 明彦横山 俊朗
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 40 巻 4 号 p. 397-404

詳細
抄録

目的:唾液腺由来粘表皮癌は粘液産生細胞, 中間細胞, 扁平上皮さらに淡明細胞が種々の割合で混じる悪性腫瘍であるが, その生物学的悪性度は様々で, 近年では細胞異型, 組織構築による3段階の細分類が一般化しつつある. 今回われわれは細胞診所見における各亜型間の差異について比較検討を行った.
方法:症例は本教室に登録されたものから十分な検索に足るものを抽出し, この組織所見と術中迅速診断時に採取した捺印細胞診標本とを比較検討した.
成績:捺印細胞診では粘液様ないし炎症性の背景中に各細胞が孤立散在性あるいは疎な集塊を形成しながら出現し, 高悪性になるほど細胞異型を増し, 扁平上皮成分が優位になる傾向がみられたが, その他, 出現様式などについては明確な差異は認められなかった.
結論:高悪性型では細胞診上に明確な粘液産生細胞が現われないなど粘液産生の所見に乏しく, この点が診断上重要な問題点と考えられるが, このような場合, 河原らの記載した, 外形は扁平上皮の特徴を示しながらも胞体内に粘液空胞を有するIn-2型細胞の認識が的確な診断に有用と思われた.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top