日本臨床細胞学会雑誌
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悪性中皮腫に対するHBME-1抗体とEMA抗体を用いた免疫細胞化学の有用性
杉島 節夫安倍 秀幸山口 知彦河原 明彦横山 俊朗吉田 友子鹿毛 政義渡辺 次郎
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40 巻 (2001) 5 号 p. 450-456

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抄録

目的:体腔液中に出現する悪性中皮腫細胞と癌細胞, 反応性中皮細胞との鑑別に, HBME-1抗体とEMA抗体を用いた免疫細胞化学が有用であるか検討を行った.
方法:対象は悪性中皮腫6例と体腔液の細胞診で陽性と診断された50例の癌腫および反応性中皮細胞と判定された10例の塗抹細胞標本にHBME-1抗体とEMA抗体を用い免疫染色を行った.
成績:悪性中皮腫6例の免疫細胞化学的検索ではEMA抗体とHBME-1抗体ともに陽性像を示した. 癌細胞では, EMA抗体に対しては50例中47例 (94.0%) が陽性, HBME-1抗体に対しては50例中4例 (8.0%) が陽性を示した. 背景に出現していた中皮細胞では, EMA抗体に対し疑陽性を示した1例を除き50例中49例 (98.0%) は陰性, HBME-1抗体に対しては50例中44例 (88.0%) が陽性で疑陽性が5例, 陰性は1例であった. 他方, 反応性中皮細胞10例ではEMA抗体は9例が陰性であったが, 1例に疑陽性症例がみられた. HBME-1抗体の発現性については, 悪性中皮腫症例では細胞膜に沿って認められたが, 癌腫症例では細胞膜にとどまらず細胞質全体に発現性が認められた. EMA抗体は, 癌腫症例では細胞質全体に発現性を認めるが, 悪性中皮腫症例では細胞質全体に発現性を認める症例と細胞膜に沿って発現性を示す症例が認められた.
結論:体腔液中に出現した悪性中皮腫の細胞と癌細胞との鑑別にはHBME-1抗体が, また, 悪性中皮腫細胞と反応性中皮細胞の鑑別にはEMA抗体が有用と思われた. HBME-1抗体とEMA抗体を併用した免疫細胞化学は悪性中皮腫の診断に有用と思われた.

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