日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
子宮頸部漿液性腺癌の1例
西本 秀明
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 41 巻 2 号 p. 122-126

詳細
抄録

背景:漿液性腺癌は卵巣癌ではよくみられる組織型であるが, 子宮頸部原発の漿液性腺癌はきわめてまれである. 今回本症例を経験したので報告する.
症例:症例は35歳, 2経妊2産婦で主訴は性交後出血であった. 術前の細胞診では, 高度の異型を示す癌細胞がみられ, 腺管形成は認められるが, 充実性増殖は不明瞭でendometrioid typeのadenocarcinoma, G1-2に相当と診断された. 生検では, 一部高円柱上皮が乳頭腺管状に増生している部分も認めたが, 大部分は小型立方上皮が主として小充実巣を形成し, 一部表面に微小乳頭状に増生する部もみられ, 子宮体部のendometrioid adenocarcinoma, G3の診断であった. しかし術後の病理組織診断では子宮頸部漿液性腺癌であった.
結論:Retrospectiveに細胞診, 生検組織診および術後の組織学的診断を検討, 文献的考察も加え報告する.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top