日本臨床細胞学会雑誌
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AFP陽性を示した輪状細管を伴う性索間質腫瘍の1例
武田 由美子岩屋 啓一渡部 顕章長尾 俊孝清水 亨芹沢 博美海老原 善郎向井 清
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2002 年 41 巻 4 号 p. 291-295

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抄録

背景:卵巣の輪状細管を伴う性索腫瘍 (Sex cord tumor with annular tubules (SCTAT)) の1例において免疫染色および捺印細胞診を行ったので報告する.
症例:63歳女性. 2経妊, 2経産にて自覚症状はなく, 健康診断の腹部エコー検査で下腹部腫瘤を指摘された. Peutz-Jeghers症候群の徴候はない. 右卵巣摘出手術が施行され, 9×7×6cmの多房性嚢胞がみられ, 一部に充実性肥厚部を認めた. 肥厚部からのスタンプ標本では多数の腫瘍細胞が採取され, 乳頭状ないし腺腔様構造がみられた. 腫瘍細胞は淡明な胞体内に多糖類と考えられるPAS陽性の穎粒を有していた. 腫瘍の一部には腸管上皮に類似する異所性成分が認められ, 胞体内にAlcianblueに染まる粘液を有しCEAとCAI9-9が陽性であった. 他の大部分の上皮成分ではAFPが陽性であった.
結論:異所性成分の存在やAFPの陽性所見はSertoli-Leydigcelltumorlこは高頻度に認められるため, 本症例はSertoli-Leydig cell tumorの性格を有するSCTATと考えられた.

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