日本臨床細胞学会雑誌
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胃原発小細胞癌の1例
渡邊 佳代子大野 英治服部 学横山 大渡辺 純小林 伸行蔵本 博行
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2003 年 42 巻 1 号 p. 39-44

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抄録

背景:胃原発小細胞癌はきわめてまれな腫瘍である. 今回, 捺印標本による胃小細胞癌の細胞所見に, 免疫化学的および電子顕微鏡的観察を加えて検討したので報告する.
症例:65歳, 男性. 内視鏡検査にて胃体上部後壁に94×70cm大のBorrmann 3型の腫瘤を指摘され, 胃全摘術が施行された. 腫瘍摘出時の捺印細胞所見では, 壊死性背景にN/C比のきわめて高い裸核状小型の腫瘍細胞が, 散在性あるいは木目込み細工様に配列して出現していた. 核はリンパ球よりやや大型で円形または楕円形を呈し, クロマチンは細顆粒状で一部には小型核小体を認めた. 肺小細胞癌に類似した所見であった. 組織所見では楕円形から一部模形の核を有する胞体の乏しい腫瘍細胞が充実性に増殖していた. 細胞と組織の免疫染色で, chromogranin Aやsynaptophysinの神経内分泌系マーカーが陽性を呈した. また, 腫瘍組織の戻し電顕で神経内分泌顆粒が確認されたことから, 小細胞癌と確診された. さらに, 同組織に隣接して認められた中分化型管状腺癌を示す小病巣でも神経内分泌顆粒が認められた.
結論:本症例は細胞学的特徴より小細胞癌の細胞診断は可能であった. さらに, 免疫組織化学的および電子顕微鏡的観察により神経内分泌細胞への分化が確認された.

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