日本臨床細胞学会雑誌
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乳腺硬癌に関する細胞学的, 組織学的検討
穿刺吸引細胞診でいかに正しく診断するか
前田 昭太郎細根 勝片山 博徳礒部 宏昭柳田 裕美阿部 久美子日吾 美栄子飯田 信也横山 宗伯内藤 善哉
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2003 年 42 巻 1 号 p. 64-72

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抄録

目的:穿刺吸引細胞診 (FNAC) でいかに乳腺硬癌を正しく診断するか, その工夫点について検討した.
方法:乳腺硬癌の手術症例112例を狭義の硬癌, 乳頭腺管癌由来の硬癌 (乳頭腺管型硬癌), 充実腺管癌由来の硬癌 (充実腺管型硬癌) に大別し, それぞれの細胞学的特徴を検索した.
成績:狭義の硬癌27例では, 細胞量少量 (67%), 細胞の結合性弱 (63%), 細胞異型軽度 (56%) のほか, 小塊状配列 (78%), 索状配列 (89%) が高頻度にみられ, ICLは48%にみられた.乳頭腺管型硬癌72例では, 細胞量多量 (69%), 細胞の結合性弱 (74%), 細胞異型高度 (53%) のほか, 孤立散在性 (58%), 小塊状配列 (82%), 索状配列 (83%), 線状配列 (50%), 楔状配列 (51%) が高頻度にみられ, ICLは47%にみられた.充実腺管型硬癌13例では, 細胞量多量 (92%), 細胞の結合性弱 (77%), 細胞異型高度 (77%) のほか, 孤立散在性 (85%), 小塊状配列 (85%), 索状配列 (69%), 線状配列 (54%), ICL (54%) がそれぞれ高頻度にみられた.
結論:細胞の性状, 細胞配列の形状, およびICLの有無から, 組織像を推定しながら良悪性の判定をすることがFNACによる硬癌の診断上, 重要である.それでもなお, 診断困難なときに針生検あるいは摘出生検を行うことが望ましい.

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