日本臨床細胞学会雑誌
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乳腺硬癌の細胞像と鑑別診断
細胞採取から診断まで
鈴木 正人長嶋 健矢形 寛橋本 秀行今中 信弘笠川 隆玄榊原 雅裕二階堂 孝石倉 浩宮崎 勝
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2003 年 42 巻 1 号 p. 87-93

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抄録

背景:乳腺硬癌の細胞診断は, 細胞採取量が少なかったり, 細胞が小型で異型が読み取りにくかったりして診断に苦慮する場合がある. 当教室における細胞採取の工夫および診断・評価上の特異点について報告する.
方法:1. 浸潤性乳管癌73例を対象に超音波ガイド下穿刺吸引細胞診を行いその結果を解析した. 2.原発性乳癌120例を対象に穿刺吸引細胞診の細胞像をコンピュータ画像解析し, 硬癌の特徴を検討した.
結果:超音波ガイド下穿刺吸引細胞診は98.6%の症例で細胞診断可能な細胞量が採取できた. 硬癌においても89.2%でclass IV以上の診断を得た. また画像解析で算出された核面積変異係数 (NACV) を核異型の客観的parameterとして用いると, 平均核面積73μm2以下の「小さい核」からなる腫瘍においても硬癌はそれ以外の乳癌と比して高値を示し (29.5±9.7%VS 25.5±6.9%, p<0.05), 異型が強いことが示された.
結論:超音波ガイド下に細胞診を行うことで細胞採取の確実性が向上し, 硬癌においても診断能があがる. また画像解析を行うことで異型の判定に苦慮する小型細胞からなる腫瘍でもより正確に核異型度の評価が可能になり, 診断の補助として有用である.

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