日本臨床細胞学会雑誌
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肺異型腺腫様過形成の細胞学的検討
星 利良佐藤 之俊都竹 正文宝来 威石川 雄一
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2003 年 42 巻 3 号 p. 191-199

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抄録

目的:肺異型腺腫様過形成 (AAH) と高分化腺癌 (AD) の鑑別を目的とし, それらの細胞像を比較検討した.
対象と方法:対象は組織学的にhigh-grade AAHと診断された4例と高分化腺癌8例, それらの捺印標本を用い, 細胞の出現様式, 細胞と核の大きさと長さおよび性状について比較検討した.
結果:1. AAHの集塊は構成細胞数が20個前後で平面的であり, 細胞数が60個以上の大型集塊や重積性のある集塊はみられなかった.
2. AAH細胞はAD細胞と比較すると小型でN/C比は低く, また, 立方状でライトグリーン淡染性の細胞質を有し, 高円柱状細胞の混在や泡沫状細胞は認めなかった.
3. AAHの核はADの核と比較すると小型楕円形で, 核形不整はごく少数ないしはみられなかった.
4. AAHの核内細胞質封入体の出現率はADより低く, 2核細胞の出現率は高かった.
結論:従来の報告に加えて, 今回AAHとADとの鑑別点として, 集塊の構成細胞数, 細胞の形状, 細胞質の性状についての新しい知見を得た.これらの細胞所見の特徴からAAHの細胞学的推定診断は可能になると考えられる.

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