日本臨床細胞学会雑誌
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改良Ultrafast Papanicolaou染色を用いた甲状腺迅速細胞診
丸田 淳子橋本 信裕山下 裕人山下 弘行野口 志郎横山 繁生
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2003 年 42 巻 3 号 p. 212-217

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抄録

目的:迅速で正確な細胞診報告を行うため改良Ultrafast Papanicolaou染色 (改良染色) を考案し, 甲状腺病変の迅速細胞診への適応を検討した.
方法:迅速細胞診施行後病理組織診断の確定した768例 (乳頭癌281例, 濾胞癌14例, 未分化癌2例, 髄様1癌3例, 悪性リンパ腫16例, 濾胞腺腫132例, 腺腫様甲状腺腫209例, 慢性甲状腺炎19例, リンパ節転移77例, 非転移リンパ節15例) を対象とした. 2枚の穿刺吸引塗抹標本を作製し, 改良染色とPapanicolaou染色を施行し, それぞれの細胞診判定結果と病理組織診断とを比較した. 改良染色はUltrafast Papanicolaou染色の核染色過程を改良して行った.
成績:改良染色標本は, Papanicolaou染色標本に比して, 細胞量が多く, 細胞集塊が平面的で染色色素の透過性も良く, 塗抹が薄いため顕微鏡的観察に適していた. 改良染色では染色が2分以内に完了し, 核にアーチファクトのない良好な染色標本が作製できた. 報告までの所要時間は平均6.7分であった. 改良染色の感度は90.2%(277/307), 特異度は97.5%(318/326) であり, 従来のPapanicolaou染色とほぼ同等であった.
結論:改良Ultrafast Papanicolaou染色法は, 迅速な臨床診断に対応できる信頼度の高い染色であるといえる.

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