日本臨床細胞学会雑誌
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副鼻腔に発生した成人の胞巣型横紋筋肉腫の1例
寺内 利恵竹中 美千穂山下 学朝倉 善史中野 万里子田中 卓二黒瀬 望野島 孝之
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42 巻 (2003) 6 号 p. 417-422

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抄録

背景:胎児型および胞巣型横紋筋肉腫は小児や若年者に好発する高悪性度の腫瘍である. 今回われわれは成人の副鼻腔に発生した胞巣型横紋筋肉腫を経験したので報告する.
症例:55歳, 女性. 右上眼瞼腫脹を主訴に来院し, CTにて右節骨洞から眼窩に径3×1.5cm大の腫瘤を認め, 生検が施行された. 生検材料の捺印細胞像では, N/C比大で類円形核をもつ小型の腫瘍細胞が粗な結合集塊様に出現していた. 細胞質は淡明, クロマチンは顆粒状を示し, 核小体は目立たなかった. 中高齢者であり, モールディング様 配列を認めたため小細胞癌が疑われたが, 滴状ライトグリーン好染性細胞質を有する細胞とグリコーゲンを認め, 横紋筋肉腫細胞と判定した. 免疫組織化学ではdesminに陽性を示し, 電子顕微鏡ではZ帯様構造を認めた. 分子生物学でも胞巣型横紋筋肉腫に特徴的なPAX3-FKHR変異遺伝子のpolymerase chain reaction (PCR) 産物を確認した.
結論:小円形細胞腫瘍の鑑別はむずかしく, 特に横紋筋肉腫が鑑別診断にあげられる場合, 腫瘍捺印細胞診では滴状ライトグリーン好染性細胞質の観察と, グリコーゲンの有無を確認することが重要である.

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