日本臨床細胞学会雑誌
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唾液腺穿刺吸引細胞診の診断成績に関する検討
和田 江身子鴻池 資啓木下 康枝大橋 功弓場 吉哲小橋 陽一郎
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2004 年 43 巻 3 号 p. 155-160

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抄録

目的および対象:当院で過去10年間に行われた唾液腺穿刺吸引細胞診453例 (511検体) 中, 組織診断が明らかな249例を対象とし, 唾液腺穿刺吸引細胞診の成績をまとめ, 若干の知見を得たので報告する.
成績:唾液腺穿刺吸引細胞診の正診率は96.2%, 特異性98.6%, 感度72.7%, 細胞採取不良による判定不能例は13例であった. 誤陽性は3例で, 多形腺腫を腺様嚢胞癌および腺房細胞癌, 基底細胞腺腫を粘表皮癌と誤判定した.誤陰性は6例で, 悪性リンパ腫と診断しえなかった3例と多形腺腫内癌を多形腺腫, 粘表皮癌を多形腺腫, 腺房細胞癌をワルチン腫瘍とした各1例であった.
結論:唾液腺穿刺吸引細胞診は治療指針の決定や術前検査として非常に有用とされており, 唾液腺穿刺吸引細胞診の精度の向上にさらに努めていく必要がある. また, 唾液腺悪性リンパ腫は, 組織学的にも反応性と腫瘍性の鑑別困難な症例が多く, 細胞診では確定診断しがたいと思われる. 今後, 細胞診材料でも, 形態学的診断に加え, 免疫染色やpolymerase chain reaction (PCR) 法などの分子生物学的手法を取り入れた総合的な診断が必要と考えられた.

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