日本臨床細胞学会雑誌
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会員制肺がん検診で発見された肺野型扁平上皮癌の5例
画像所見に先行して細胞診による異常を指摘しえた例
鎌田 久美子土屋 菊枝杉山田 隆男武智 昭和原島 三郎松野 吉宏石井 源一郎佐藤 之俊
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2004 年 43 巻 3 号 p. 171-177

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抄録

背景:「東京から肺がんをなくす会」では有料の会員制肺がん検診を行っており, 6ヵ月ごとの胸部直接X線写真, 喀痰細胞診による一次検診にヘリカルCTを導入して9年が経過した. この間, 発見された肺野型扁平上皮癌のうち, CT所見に先行して喀痰細胞診でD判定以上の異型細胞が出現していた5例を経験し, 肺野型扁平上皮癌の発見における喀痰細胞診の重要性が再認識された. そこで, この5例について喀痰細胞診とCT画像における陰影の変化を経時的に比較した.
症例:5例は, すべて男性で癌初発見時年齢は65~79歳, 喫煙指数は600~2050. 全例とも, 喀痰細胞診でD判定以上の異型扁平上皮細胞が出現してから1年6ヵ月~4年6ヵ月後に扁平上皮癌が発見された. CT画像の再検討では'1例はCT上異常所見を認めず, 4例は癌発見時の6ヵ月~1年6ヵ月前より, 癌と認識できないものの, その該当部位に陰影が認められた.
結論:肺野型扁平上皮癌の早期発見に関連し, CT画像上異常が指摘されなくとも, 喀痰細胞診でD判定以上の異型細胞が出現していた場合には, 微小な癌が潜んでいる可能性があることを考慮に入れ, 継続的な検査の施行, より精密な画像の評価および厳重な経過観察が必要であると考えられた.

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